笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『やっぱり、夏海に気があるんじゃないの?』

ボタン付けをしていた
わたしにみどりが
小声で言った

『そんなわけないよ』

そう言いながらも
先生の思わせぶりな
態度が気になった

何でそんな事をするのか

またわたしは
辛くなるのに

丁寧にボタンを付けた

また取れてしまったら
わたしに頼んでくれる?

それなら、少し緩めに
付けちゃうのに

『はい。出来たよ』

『サンキュー』

先生はジャケットに
袖を通した

何でこんな事をしたの?

先生の意地悪

どんどん先生を
好きになっていく

もうやめなきゃ
いけないのに

どうせなら
突き放して欲しい

思わせぶりな態度よりもずっといい

好きになるなって
言われても
止められない

それでも、この気持ちは隠し続けなきゃ
いけないんだ

いつか、先生を
忘れられる日まで

わたしが忘れて
いけるその時まで
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