笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『お前ら
何やってんだ?』

わたしが放った
ボールがゴールに
吸い込まれた瞬間
体育館に響いた声

わたしと凌は
息が上がったままだ

体育館の入口に
目をやると、そこには
先生が立っていた

会いたかった先生

凌がわたしを見て
ニヤッとする

『バスケだよ!
見りゃわかるだろ!』

凌が言う

『さっきから見てたけどお前ら本当に
楽しそうだったな』

全然気付かなかった

それだけ夢中に
なっていたんだ

『でも、あと終わりな。俺、鍵閉めて帰るぞぉ』

先生は窓を閉めて
鍵をかけている

『まだまだ
やり足りねぇのに』

凌がブツブツ言いながらバッシュを脱いでいる

そんな凌を見て
わたしも慌てて
バッシュを脱ぎ始めた
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