あくしゅ。
入口の外では

取材陣がまだ質問を投げかけていた。


「里美、大丈夫?」


「う、うん。

 由香、ありがとう、

 守ってくれて」


2人はふらふらになりながら

自分の部署へと向かった。


「部長、ただ今戻りました」


里美たちはそう言うと

それぞれ席に着こうとした。


「あの、瀧田君。

 ちょっとこっちに来なさい」


緊張しながら部長の前に向かった。


「は、はい」


「君、今どんな状態にあるか、

 分かっているね?」


入口にいる大勢の取材陣の事だ。


「はい、分かります」


「君がここにいたら、

 全体の業務にも支障が出る」


「……申し訳ございません」


里美は深々と頭を下げた。



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