初恋-はつこい-
夏休み

詩織ちゃんとのわだかまり

真由にとって最後のコンクールが、

とうとう明日に迫っていた。


これでもかと言うくらい

必死に練習を重ね、

ようやく部員全員が

滑らかな一つのハーモニーを

奏でていた。


木管楽器の

美しい旋律が命である今回の曲。


真由は柔らかい音を

引き立てるように演奏した。


「よし。では15分間、休憩」


山口先生の言葉を聞き、

部員の力が一気に抜ける。


真由も頬をマッサージしながら、

今の合奏の確認をするため

譜面をめくった。


「みんなーお疲れ様ー。

 差し入れ持って来たよー」


元気で明るい声をあげながら

卒業生の先輩が、

差し入れの冷たいジュースを

持ってきてくれた。



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