初恋-はつこい-
「真由ー。おっはよー」


マンションから出ると、

杏奈が満面の笑みで

真由に手を振り迎えてくれた。


「おはよう、杏奈」


真由は必死に笑顔を作り

杏奈の方へと向かう。


そして2人並んで学校へと歩き出した。


杏奈は真由の様子が

いつもと違うと気付き声を掛けた。


「あれ、真由。どうしたの?」


「ん、……何が」


杏奈が真由の頬を軽く指で撫でる。


「泣いてたんじゃないの?

 親と喧嘩でもしたの?」


「ううん、違うよ」


真由は杏奈に心配を掛けたくない一心で

笑顔を作る。


「やっぱ、なんかあったな。

 だって変だもん、ちゃんと笑ってない」


杏奈に見抜かれて真由はドキッとした。


真由は呼吸を整えながら

静かに杏奈に話し始めた。



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