初恋-はつこい-

中学最後のバレンタイン

2月14日、バレンタインデー。


とうとうこの日を迎えた。


真由は肩掛けカバンに

想いを込めた手作りチョコを

忍ばせ、

学校へと登校していた。


「おっはよー」


真由、花帆、杏奈は

いつもの様に

1組と2組の

ちょうど真ん中の廊下で

立ち話をしている。


真由の肩をこんこんと

つつきながら花帆が、

「バレンタインだね」

と含み笑いをしながら言う。


その表情を杏奈は

敏感に反応して花帆に尋ねる。


「ねえ、花帆。

 何か真由と企んでるの?」


その言葉に花帆は素早く

杏奈の方を向き人差し指を立たせた。


「企む、なんて人聞きの悪い。

 この間、真由の家で

 香坂君への本命チョコ

 作ったんだよね」


そう言いながら花帆は

真由の方を向いてウインクした。



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