初恋-はつこい-
液状になったチョコを

型に全て流し込み、

それらを丁寧に

冷凍庫へとしまった。


「これで、一応完成だね」


花帆がにっこりと

微笑みながら言う。


真由も満面の笑みで、

「うん、ありがと」

とこたえた。


チョコ作りに

すっかり夢中になっていて、

気付けば時間が

7時を回っていた。


「やばっ!

 じゃ、私、これで帰るね」


花帆は素早く身支度を整えると

玄関へと急いだ。


「うん。今日は本当ありがとう」


真由の言葉に

花帆は軽く頷き

駆け足で外へと出た。


真由はキッチンへと戻り

後片付けをしながら、

自分の圭輔への想いを

見つめ直していた。



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