Sweet Life
「何処か行きたい所あるか?」
「うん。ハロッズ」
「はぁ?」
「フフフ…冗談。あのね、ピカデリー広場に行きたい」
ちゃんと下調べはしてきたもんね。
「ピカデリー広場?」
「うん。ピカデリー広場ならトラガルファー広場にも近いしコペントガーデンにも近いし」
テムズ川沿いを歩きながら
「あ、ビックベンだ」
これもやっぱり見たかったんだよね。
ちょっと遠いけど見えたからよしとするか。
「で、ピカデリー広場に行けばいいのか?」
「うん」
ピカデリー広場で見たい物もあるし
「分かった」
――
―
ピカデリー広場に着いて
お目当てを探して
「樹、樹 早く」
手を引っ張って行った先にはピカデリー広場のシンボルとも言える「エロスの像」が。
これが見たかったんだよね。
「エロスの像ってエロいな」
「……」
何でそうなるの。
「樹、これは天使だよ。愛の使いだよ」
「分かってけど」
「明日結婚する私達にはぴったりじゃない」
「そうか?」
やっぱり分かんないよね男って。
全然ロマンチックじゃないんだから。