Sweet Life



「菜摘」


ベッドに腰掛けて私の頭を撫でて


「泣くな」


「泣いてないもん」


いや、充分泣いてますが意地でも認めたくない。


「フッ ワァ~ワァ~泣きわめいてんじゃねえか。ドア越しでも聞こえてるんだけど」


「……」


私を抱き起こして指で涙を拭って


「俺が嫌いか?変態でスケベな俺は嫌いか?ん」


「ヒ、ヒック」


「離婚すんのか?」


「……」


「何も知らない初なお前じゃなく手慣れた姉ちゃんの所へ行った方がいいか?」


「た、たつき~ い、意地悪。意地悪だぁ~ ワァ~」


「フッ ひで~顔」


まるで追い討ちをかけるように


「ど、ど、どうせ私は不細工です~ワァ~」


「クククク…」


抱き寄せて


「俺は好きなんだけど」


「……」


「俺は初な菜摘が好きなんだけど」


耳元で囁いてくれる。


「…た、樹は」


「ん?」



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