てがみ~未来への約束~
しかし無常にも、

私のささやかな願いは

もろくも崩れてしまった。


課長は、

いつもしない飛びきりの笑顔を見せて、

やんわりと話しだした。


「もうすぐ退社時間なのですが、

 どうしても箕輪さんに

 急ぎで頼みたい仕事があるんです。

 今日、残業をお願いします」


「ざ、残業……」


やっぱり、と肩をがくんと落としながら

課長の言葉をただ繰り返す。


悪い予感は、

なんでこうも的中してしまうんだろう。







 
< 87 / 274 >

この作品をシェア

pagetop