114歳の美女
 智也はときと古田が帰ってすぐに、『花簪』に現れた。


 花香が智也に近付いて来た。

 「入れ違いどすな」

 花香が意味深な笑みを浮かべて。


 「何が」
 「いま、奥さんお見えになっていましたで」


 「ええっ、ときが。誰とや」
 「市役所の方どすわ。これ名刺」


 「えええっ、課長と」


 智也は見覚えのある名前を見て、びっくりをした。


 「偶然と違う?」
 「偶然。でも、何で二人が」


 ときと古田の組み合わせに、智也は合点が行かなかった。

 「古田のあほめが」

 智也は女好きの古田が、ときにちょっかいを出したと思った。


 「二人はどんな様子やった」
 「かなり親密な仲に見えましたけど」


 花香は少しオーバーに、二人の様子を表現した。






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