114歳の美女
 「それにしても、飛び切りの美人だ」


 智也がときの顔を思い起こした。
 

 「彼女なら生き血を吸わせてやっても構わないか」
 

 「いや、チュユーチュウー吸って欲しい位だ」
 

 「思い出しただけでもぞくぞくするな」
 

 智也がにやにやして、独り言を呟きながら歩いている。


 行き交う顔見知りの女子職員が、軽蔑した目で、智也を一瞥した。


 「いけない。急がなくては」



目指すは高齢福祉課。
 歩く速度を智也は、全速力へとギアチェンジをした。







< 30 / 321 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop