114歳の美女
 「冗談がきついよ」
 「待てよ。本当かも」
 

 「いいや、そんな事があるはずがない」
 

 智也がぶつぶつ言いながら『café昔昔』を振り返った。
 

 「聞きたい事の10分の1も聞けなかった。本当に情けないよ」
 
 「でも、本人をこの目で確認するという当初の目的は果たせた訳だから」
 
 「まあ上首尾。上首尾」
 

 智也は自分で自分を納得させた。




  智也が市役所に戻った。高齢福祉課のある建物の奥へ。


 「114歳の女ドラキュラめ」


 「必ず正体を暴いてやるぞ」


 智也が小さな声で独り言を呟いた。



 ブルブル~。



 智也はときの顔を思い浮べると、思わず武者震いをした。






 
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