恋のダークサイド
恋のダークサイド
私の父は単身赴任。

ずっと海外にいる。

放置主義者。

私の母親は今は…。

お気に入りの獣を二匹手綱に首輪をつけている。




その一匹に私は…恋をした。


オープンな母親。



父は知らない。



私だけ知っている。



恋の相談をされる。




不倫相手の…。





その一匹に私は恋をした。




その手を捕まれた。





母のいない時間…。





私は…恋をした。




決して叶わない危険な恋。




狩っても狩られても…。




銃で撃たれるのがわかってるのに。





相談されて答える自分自身に闇をみて…。





なんてひどいのかと…。




それでも一匹の獣に恋をした。





狼…。





私は…。





止められなかった。





闇は闇に落ちていく…。




闇にこのまま溶けてしまいたい。





一匹のいけない獣に恋をした。





闇をかける私と貴方と…。




闇に落ちて吸い込まれていく。





後戻りは出来ない。





恋のダークサイド。





いけない恋は実らない…。





いけない恋は闇に落ちるだけ。





恋のダークサイドに落ちていく。






いつしか母は赤ずきん…。怖い怖い赤ずきん…。





最後は狼さんを食べてしまう。





私は…狩人。それとも木こり?





最後は狼を撃ち何処かに行ってしまう。






赤い赤い頭巾をみて、可笑しくなってしまう。





狼の毛皮を抱きしめて、狩人は走り去る。





森の奥…。闇の中へ。





赤い赤い鮮明な色が見えなくなるまで走って行った。





走って走って…。





闇に落ちて行く。





それが恋の代償。
恋のダークサイドに落ちていく。





闇の中へ。





狼の毛皮を抱きしめて走って消えた。






「狼さん狼さん!」






恋のダークサイドに落ちていく。





決して許されない。






すべては闇に落ちて行く。





闇に落ちて見えなくなるまで走って行った。






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