可愛く見られたくて・・・
4回目―

今日使うと無料チケットの残数が残り1枚になってしまう

だが、ここで止めてしまうと

今までの3回分の努力の意味がなくなる…

そんな気がした

元はといえばタダで貰った物…

そう自分に言い聞かせ

私は惜しみながらも

3枚チケットを差し出した


「今日もお腹・お尻・足のコースね!」


夕紀さんはいつもと変わらぬ笑顔で、そう答えた


エステの肉摘みはかなり痛い…

だがこれも、自分がここまで醜い肉を放置していた罰。。。

と思い、必死に耐えた


いつものコースが終わり

私がラウンジで紅茶を飲んでいると

夕紀が駆け寄って来た


「麻美さん!

 調子はどぉ??

 私が触ってる感じでは

 だいぶ、お肉が軟らかくなってきたと思うの!

 硬いお肉を軟らかくしてる最中だったのよ
 
 次はこの軟らかくなってきたお肉を揉み解せば

 お肉は消えていくわ!!

 少し細くなってきたんじゃない?!」


夕紀は熱心に麻美の進行状況を説明してくれた


「体重は1kg程落ちたんです。

 これからだろうなぁ~って思うんですけど…

 結構お金もかかるし、毎日は通えないから

 なかなか効果が出ないですよね。。。」


「そうねぇ~。

 私も以前ここに通っていたんだけど、

 その時は、やっぱりお金が底を着きそうだったわ。

 でも、その努力のかいあって今の私がいるんだもん

 あの時頑張ってよかったと思うわ

 それに、綺麗になったら男がほっておかないものよ!

 今の旦那と出会えたのも、このお陰といっても嘘じゃないわ。」


< 48 / 174 >

この作品をシェア

pagetop