八一ト
何も言ってくれずに
ただただ
黙り込むばかりだった
「どうして!?
どうして何も言ってくれないの!?」
黙ってばかりの優奈に
大声で怒ってしまった
「ヒナ…」
黙っていた優奈の口がやっとの
ことで開く
「私はヒナを悲しませたくない」
黙っていた優奈から真っ直ぐの目で
私にむけられた言葉だった
訳が分からない
どういう意味で優奈が
言っているのか
どう考えて優奈が
口にしているのか
理解できなかった
「どういうこと?」
「ごめん、ヒナ」
私は優奈から謝られ優奈が
教室から出て行った