桃色の蜘蛛、只一つの罪【短篇】
─ウチの娘達なら飛びつくカモネギだな…
そう思いながらも、
─たまには自分も手を染めようかな…。
そんな気分にもなりはした。
私は自分の心の善が嫌いだ。
辛い仕打ちが必ず裏切りを返してくるから…。
でも、いつもそこには葛藤が有り、その時もやはり財布には手を出す事をせずに、その場を離れようとした。
─私は別に善人じゃない……寧ろ最低の人間なの。
そう自分に言い聞かせながら、男の前から離れようとした。
その時……。