《短編》空を泳ぐ魚2
「停学でも退学でも、好きにしろよ!」
あれからすぐに悲鳴を聞いたのであろう他の先生達も駆け付け、
暴れる白石を無理やりに職員室まで連れて来たのだが。
取り囲む教師連中に白石は、その言葉以外は何も語ろうとはしない。
「白石、ちょっと来い!」
「ハァ?!
命令してんじゃねぇよ、クソが!」
そう言う白石を無理やりに引きずり俺は、隣の生徒指導室に連れ込んだ。
瞬間、ガシャーンと長机を蹴り飛ばす音が響いて。
「岡部先生?!」
「大丈夫ですので、少し二人で話をさせてください。」
血相変えた教師連中にそれだけ告げ、笑顔で俺は、その扉を閉めた。
一瞬のうちに、生徒指導室までもが無惨な姿に変わってしまって。
長いため息を吐きだした。
「…あのさぁ、白石。
別に俺は、暴れたことについて怒ろうとかって気もないんだよ。」
「―――ッ!」
予想に反したのだろう白石は、目を見開いてゆっくりと俺に顔を向けた。
フッと笑い俺は、倒された長机を戻してそれに腰を降ろす。
「ただ、何があったのか話してくれなきゃ、お前が悪者のまま学校辞めさせられるぞ?」
「―――ッ!」
戸惑うように白石は俺から目線を外し、傍にあったパイプ椅子に腰を降ろした。
少し薄暗くなった部屋に、沈黙のとばりが降りる。
うな垂れた金髪頭は、いつもより幾分小さく見えて。
人間誰しも、暴れたい時期くらいあるのはわかってるし。
俺だって経験してないわけじゃないから、その気持ちは少しくらいわかる。
何よりコイツが今学校を辞めてしまったら、清水まであとに続いてしまう。
それだけは、何としても止めなきゃいけないから。
何も言わず俺は、白石の言葉を待ち続けた。
あれからすぐに悲鳴を聞いたのであろう他の先生達も駆け付け、
暴れる白石を無理やりに職員室まで連れて来たのだが。
取り囲む教師連中に白石は、その言葉以外は何も語ろうとはしない。
「白石、ちょっと来い!」
「ハァ?!
命令してんじゃねぇよ、クソが!」
そう言う白石を無理やりに引きずり俺は、隣の生徒指導室に連れ込んだ。
瞬間、ガシャーンと長机を蹴り飛ばす音が響いて。
「岡部先生?!」
「大丈夫ですので、少し二人で話をさせてください。」
血相変えた教師連中にそれだけ告げ、笑顔で俺は、その扉を閉めた。
一瞬のうちに、生徒指導室までもが無惨な姿に変わってしまって。
長いため息を吐きだした。
「…あのさぁ、白石。
別に俺は、暴れたことについて怒ろうとかって気もないんだよ。」
「―――ッ!」
予想に反したのだろう白石は、目を見開いてゆっくりと俺に顔を向けた。
フッと笑い俺は、倒された長机を戻してそれに腰を降ろす。
「ただ、何があったのか話してくれなきゃ、お前が悪者のまま学校辞めさせられるぞ?」
「―――ッ!」
戸惑うように白石は俺から目線を外し、傍にあったパイプ椅子に腰を降ろした。
少し薄暗くなった部屋に、沈黙のとばりが降りる。
うな垂れた金髪頭は、いつもより幾分小さく見えて。
人間誰しも、暴れたい時期くらいあるのはわかってるし。
俺だって経験してないわけじゃないから、その気持ちは少しくらいわかる。
何よりコイツが今学校を辞めてしまったら、清水まであとに続いてしまう。
それだけは、何としても止めなきゃいけないから。
何も言わず俺は、白石の言葉を待ち続けた。