《短編》空を泳ぐ魚2
「…この前…親父と進路のことで喧嘩してさぁ…」
ポツリポツリと、白石は話しだした。
「…バンドのことも馬鹿にされるし、フリーターになることも反対されちゃって。
久々に学校来てみたら、あのクソ女が…」
そこまで言い白石は、言葉を飲み込んだ。
“クソ女”とは、傍に居た桜井先生のことだろうが。
「…何か言われたのか?」
俺の言葉に白石は、コクリと頷いて。
「…俺が居ると、みんなの迷惑なんだと。
おまけに“怖い”ときたもんだ。」
ハッと白石は、自嘲気味に笑って。
あの女教師は、ほとほと問題ばかり起こしてくれる。
「だからって、机投げるなよ。
まぁ、お前の気持ちもわからなくもないけどさぁ。」
そう言って俺は、ため息を吐き出しながらこめかみを押さえた。
庇ってやりたい気持ちはあるが、暴れたんじゃ心証も悪い。
「…俺、退学?」
いつかの清水みたいな力のない瞳で、白石は俺を見上げてきた。
そんな顔をされては、嫌味のひとつも言えなくて。
「…まぁ、理由が理由だし、俺も何とか頑張ってやるよ。
その代わり、貸しにしとくぞ?」
「…貸し、って…」
いや、清水のことで何かあったときに、使えそうだし。
だけど、そんなことは言えないんだよね。
「そーゆーことだ。
帰って良いから、反省しとけ!」
強引に話を終わらせ俺は、その頭を軽く叩く。
少し楽になったのか白石も、俺に向けて力なく笑って。
ポツリポツリと、白石は話しだした。
「…バンドのことも馬鹿にされるし、フリーターになることも反対されちゃって。
久々に学校来てみたら、あのクソ女が…」
そこまで言い白石は、言葉を飲み込んだ。
“クソ女”とは、傍に居た桜井先生のことだろうが。
「…何か言われたのか?」
俺の言葉に白石は、コクリと頷いて。
「…俺が居ると、みんなの迷惑なんだと。
おまけに“怖い”ときたもんだ。」
ハッと白石は、自嘲気味に笑って。
あの女教師は、ほとほと問題ばかり起こしてくれる。
「だからって、机投げるなよ。
まぁ、お前の気持ちもわからなくもないけどさぁ。」
そう言って俺は、ため息を吐き出しながらこめかみを押さえた。
庇ってやりたい気持ちはあるが、暴れたんじゃ心証も悪い。
「…俺、退学?」
いつかの清水みたいな力のない瞳で、白石は俺を見上げてきた。
そんな顔をされては、嫌味のひとつも言えなくて。
「…まぁ、理由が理由だし、俺も何とか頑張ってやるよ。
その代わり、貸しにしとくぞ?」
「…貸し、って…」
いや、清水のことで何かあったときに、使えそうだし。
だけど、そんなことは言えないんだよね。
「そーゆーことだ。
帰って良いから、反省しとけ!」
強引に話を終わらせ俺は、その頭を軽く叩く。
少し楽になったのか白石も、俺に向けて力なく笑って。