君がいた奇跡
あの闇に突き落とされたような感覚と
計り知れない絶望感が鮮明に蘇る。

「もう終わりにしよう。
このまま私といたって、翔が傷つくだけだよ」

私は翔に別れを告げた。

翔の幸せを願って……

「俺はハルが好き。
病気でもちゃんと受け止める。
俺はハルと一緒にいたいよ」

翔ははっきりと言った。

「本当にいいの?
私のせいで翔が不幸になるかも
しれないんだよ」

私はもう一度、翔に確認した。

「いいよ。
俺が不幸になったって、ハルが幸せなら
それでいい」
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