君がいた奇跡
翌日から、私は明るくを装って
一生懸命、おどけた。

精一杯、笑顔を作った。

その笑顔とは裏腹に私の心は
泣いていた。

そこにいるのは、偽りの私。

言葉も表情も翔や結衣やお母さんに
心配をかけないための嘘だった。

窓の外に見える人ごみを眺める。

通勤通学中の会社員や学生など、
たくさんの人で溢れていた。

こんなに人がいっぱいいるのに、
どうして私が病気になったのだろう。

私の病気は治るのだろうか___

浮かんで来るのは、ネガティブな
考えばかり。
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