君がいた奇跡
昨日とは打って変わって、今日は
曇りない青空が広がっていた。

きっと今日も寂しい1日になる。

「ハル、久しぶり」

扉が開き、優しく、明るい声が
聞こえた。

声の主はすぐにわかった。

「翔……? 」

「正解」

顔を上げると、確かに南沢翔がいた。

「なんで……」

頭が真っ白になり、曖昧な事しか
言えない。

「ハルに、謝りたかったんだ」

翔は真剣な目をしていた。

「俺、無神経だったよ。
ハルがそれで傷つくなんて
思ってなかった。
ごめん」

「私も短気だった。
翔は慰めてくれようとしてたんだよね。
何もわかんないでひどい事言って、
ごめんね」

素直になって謝った。
< 58 / 172 >

この作品をシェア

pagetop