運命を変えるため。

 シンプルな言葉で俺を労る文字が短く並んでいる。
 俺は静かな笑みを浮かべながら、返信ボタンを押した。

「次の日曜日、会える?」

 少し緊張しながらそんなメールを送ると、すぐに返信を知らせる音楽が鳴り響く。
 緩んだ頬を戻せないまま、メールを開く。

「大丈夫だよ。場所と時間は?」

 俺は場所と時間を指定するメールを返すと、携帯を閉じる。
 久しぶりに、明日香に会える。自ら距離を取っていたとはいえ、会わなかった時間を考えると、楽しみで仕方なかった。
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