ルチア―願いを叶える者


「誰に言ってるんです、ロイ。まさかとは思いますが…俺にではないですよね?」


アルは不敵に笑いながら剣を振り上げる。


その剣先は迷う事なく私に向けられている。


「…っ…お前にだ!!」


―ガキンッ


ロイは攻撃を受け止めながら答える。



「ハッ…失笑しますよ。俺が…彼女を鳴かせるのは夜だけです」

「…アル!!?」


な、なな何を言ってるの!?
話がすり変わってない!?


「おいおい、お前達ふざけてる場合か!!」


シェスがため息をつく。


「失礼いたしました王子」

「わりぃわりぃ」


なんか……


「ふふっ……」


なんでだろう…
私、今恐い目に合ってるはずなのに…


不思議と安心感がある。



この人達が一緒なら、大丈夫…


そう思える…









< 331 / 403 >

この作品をシェア

pagetop