珈琲の香り
翌朝。

珍しく桜に起こされた。

いつもはゆっくり寝てるくせに……


「……いっちゃん、いい事してあげる~」


ゆっくりと目を開けると、語尾にハートマークのつきそうな勢いの桜の顔が目の前にあって……


「……今日……環さんとデート…だった………?」


……って言ったら、はたかれた!

なんで?!

桜の機嫌がいいときは、大概環さんとデートなのに!


………ん?

いい事してあげるっていった?

いい事……って?


「とりあえず、いっちゃん!顔洗ってきて!!早くしないと遅刻するよ!」


遅刻するよって……


「…今、何時………?」

「今?5時!」


5時?

涼風に行くにしても、これじゃ早すぎでしょ!

7時30分に出てちょうどいいのに…。

あと30分は寝れるのにー!!

「……何…するの?」

「いいから!起きて、顔洗ってきて!!」


恐ろしいほど機嫌のいい桜に布団まではがされ、仕方なく洗面所に向かった。


……けど、鏡、あんまり見たくないなー……

昨日、あれだけ泣いたもんな…

絶対顔がむくんでるよ……

あー、ヤダヤダ!

泣いてスッキリしたけど、桜と喧嘩して、言いたいこと言ってスッキリしたけど!!

勢いに任せてあんなこと言っちゃったし……

涼風に行く気になってるけど、どんな顔して涼さんと会えばいいかわかんない……


「あ゛ー!!」


このまま消えちゃいたい……


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