珈琲の香り
駅からすぐって言ってたのに、結局15分近く歩いてる。

15分くらいで遠いって言うなーって叱られそうだけど、最近運動不足で。

しかも、微妙に上り坂なの!

駅からずっと…


おしゃべりしながら歩いてきたけど、そろそろ限界かも……


「桜…もう限界……まだ着かない?」

「もう着くよ!その角曲がったところだから」


いくら美味しいコーヒーのためっていったって、上り坂15分はちょっときついよ。

しかも、家からじゃ駅を挟んで正反対。

ってことは……


家から20分以上あるの?

………これで美味しくなかったら、絶対に許さないんだから!



「――いっちゃん。ここが話した喫茶店」

「ここ?」


桜の指差す先にあるのは、小さなログハウス風の一軒家。

気を付けてみてないと見落としてしまいそうな、小さな看板には“喫茶 涼風”って書いてある。


「ね?いっちゃん好みでしょ?」

「……確かに。でも、喫茶店なんだから、コーヒーの味で勝負よ!」


木製の少し重い扉を開くと、カランコロン…ってベルが鳴って、微かに漂うコーヒーの香りに包まれる。


……結構いい感じじゃない!

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