花嫁に読むラブレター
「マイアちゃん。結婚式はできないけれど、次の月にはうんと大きなお祝いパーティーを開きましょうね。もちろん、マイアちゃんのご家族も呼んで、ね」
フィーネが、少しカサカサとした指を唇にあて、まるで内緒話をするかのように囁いた。
その動作が、あまりに子供じみていて、マイアは思わず微笑んだ。
マリーおばさんにまた会える。ブラウンおじさんやシェリィ、それに施設の家族みんなにまた会えるのだ。まだ離れて一日も経っていないというのに、もう寂しさが胸に浮かんでいる。瞼の裏にうつったみんなの顔を思い出し、心の中に暖炉をしまいこんだかのような温かみを覚えた。
ふいにステイルが見えた。不機嫌そうに、眉をゆがませて。マイアの顔から笑みがひいていくのが自分でもよくわかった。誕生日を祝う席で、突然に失敗を指摘されたような、そんな気分。そういえば、マイア、あなた昨日羊小屋の掃除を手抜きしたでしょう? と、今このときに言わなくても、と言いたくなる叱咤。それに似た不愉快が今のマイアにはあった。