花嫁に読むラブレター

「うん。ありがとう」

「――ねえ、マイアさん。またこれからも、こうやってたまに会ってお話してくれる?」

 繋いだ手から、熱が伝わる。

 不自然なほど、どちらも繋いだ手を動かそうとしない。湿った二人の手が、緊張していることを語っていた。

「うん、もちろんよ」

 マイアが頷くと、ユンが心から嬉しそうな笑顔を浮かべた。頬が持ち上がり、大きな目の周りに横皺がいくつも走る。

「ありがとう。――ありがとう、マイアさん」

 ユンの声が震えていた。何度もありがとう、と呟き、目尻に涙をためている。

 そんなユンを見て、マイアは初めて胸が熱くなった。

「それじゃあ」

 先に手を離したのはマイアだった。

 なんだかとても恥ずかしい。こんなにも、異性から好意を示されたことなんて、一度もない。だから、どう反応していいのか戸惑うのだ。ステイルのことが好きでたまらないのに、頬が熱くなる。
< 39 / 227 >

この作品をシェア

pagetop