貴方次第。


薄い唇から紫煙が漏れる。

さっきまで弦を弾いていた指が煙草を、


トンッ


器用に弾いて灰を落とす。

彼の指が生み出す音は、その景色は、

どれも私の体の奥をジンとさせる。


「なに物欲しそうに見てんの?」

「・・・・・・別に」

「そんなに欲しい?」


上がる口の端。


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