the number
契約、呪い、死にたい死ねない、喰われる、











突然ブツブツブツといっていた言葉がはっきりと聞こえた。




掻き出した額からは血がにじみ出、気のせいか僕には数字なようなアザに見えた。








それをみて僕はとたんに冷静になり恐怖を覚えた。








このまま僕は刺されたりしないだろうか









そう思っていた矢先、その男性は次の駅でよろよろとしながら降りていった。





降りる直後に男性が一言、誰か殺してくれとボソッと言っていたのを僕は聞いた。















一体あの男性に何があったんだろう。


ただの変質者だったのか。





そのときの僕には全くわからなかった。









男性のいなくなった列車は時がまた動き出したかのようにいつもの車内へと戻っていった。






無惨にも破れたシートは血が付着し、布の切れ端は空調によって寂しく揺れていた。













僕は気が抜けたのか大きくため息をつき、座席にうなだれた。 

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