オリガク! -折舘東学園の日常的(恋)騒動-

「少しは同情してくれたっていいじゃんっ」

「しないわー。むしろ制裁よね。全校生徒が例の処分のせいだって再確認したこの状況、おもしろすぎ」


鬼! ミーアの鬼! 昨日の優しさはなんだったの!?


「たかだか2時間じゃん。あっという間だって!」


ならミヤテンがたすき付けてよ!と思ったけれど、直射日光を浴びるような笑顔を向けられては、言えなかった。


昨日のことさえなければ自由な放課後に両手を挙げて喜んだところなのに……。


各階に設置された掃除用具入れや、手洗い場のハンドソープ補充も含め、机や椅子の脚、黒板のチョーク入れ、窓からそのサッシまで。


RHR2時間いっぱい使って我が校を綺麗にしましょうっていう日が、オリガクには毎月ある。


それが今日。美化委員が中心になり、各クラス全ての担当場所に美化委員のOKが出れば帰れる日なのだ。


本来であれば、の話だけれど。


つまり総指揮官の私は恐らく美化委員より忙しい。


私のクラスが終わるのが先か、虎鉄のクラスが終わるのが先か……。


すれ違っていようと、どうせ放課後には顔を合わせることになるし、なんて思っていたのが間違いだった。


いや、今の内にメールでもしておけば、
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