オリガク! -折舘東学園の日常的(恋)騒動-

「バッ、バババッ、バンビしぇんぱい!」

「噛み過ぎで引くわー」


有難いことに1ロール確保できて、ミヤテンはどうだったかと踵を返すと、きゅうちゃんとバクがミヤテンと一緒にこちらへ歩み寄っていた。


意外な組み合わせに目を見張るも、虎鉄の姿はない。


「俺も1ロールゲットー」

「あ、良かった! じゃあ揃ったね。……えと、きゅうちゃん久しぶり、でもないか」


笑顔を向けると、「ファッ!?」と奇妙な声を発するきゅうちゃんは相変わらずだ。


1週間前、李堵先輩を負傷させたきゅうちゃんが3日間の自宅謹慎処分になったのは記憶に新しい。


まあ内2日間は土日だったんだけどね。私にも一因はあると思って、連絡先を入手して謝罪のメールを送って、何度かやりとりをして以来だ。


「元気そうで良かった」

「いえそんな、ハイ、元気です! 以前お伝えした通り停学は勲章なので! 幸せっす! バンビ先輩今日もいきなし可愛いっす!」


色々突っ込みたいけど、いきなしってすごくって意味だよね。


「ありがとー。でもそんな緊張しなくてもいいのに」

「無理です! 好きです! つーかバンビ先輩とこんな風にしゃべってるとかマジ今にも心肺停止しそうでっ、」


真っ赤なきゅうちゃんは口をぱくぱくさせて硬直してしまった。


……メールの返信もたっぷり時間をかけているのか長文だし、なんか私、困らせてる気しかしないよね。
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