死にぞこないの神【短編】
私は観音様に話し掛けてみる。

「どうして彼はいなくなってしまったの?」

返答はない。

私の声が届かないのかしら?
孤独をさらに強く感じてしまいそうだわ。

彼は今どこにいるの?
彼に会いたいなぁ…

彼がいたのは一年も前の事。一日だって忘れはしなかったわ。

私が話し掛けても返事はしてくれなかったけど、いつも笑っていたわ。その笑顔が私は大好きだった。
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