ショコラ SideStory
店を出てから、宗司さんは困ったように視線を泳がせる。
「どうしたの、宗司さん」
「あ、う、うん」
「何よ。行く気無いの? ぼーっとしちゃって」
「いや」
宗司さんは、口元を手で抑えて顔を真赤にする。
「……あんまりキレイだから。どこに連れて行ったらいいかわからないなって思って」
「はぁ?」
相変わらず、トンチンカンなことばかり言う人だ。
まあそういうところも、嫌いでは無いのだけど。
「あなたはあたしの好きなもの知ってるでしょ」
「でも、ラーメンじゃちょっとなぁ」
「餃子もつけるわよ、今日は」
「詩子さん」
「その前に雑貨屋巡りもしましょうね。行きたい文房具店もあるのよ。夕飯は和食がいいかなー」
間髪いれずに思いつくプランを言いまくる。
「ゲーセンとかも実は行ってみたいの。宗司さん、やったことある? クレーンゲームとか」
「前にやったけど、俺下手だよ」
「じゃ、ちょっとやってみましょ。さあ行くわよ」
「うん」
調子出てきたかな。
嬉しそうに笑って、あたしの手を引いてくれる。
その姿に、私もようやく気分が弾んできた。
分かってんのかな。
あたしは、あなたと一緒ならどこでも楽しいのよ?