ショコラ SideStory

 久しぶりに入る宗司さんの部屋。いつも結構綺麗になってる。ボケッとしてるけど清潔であるのもあたし的には好印象。

湯気の上がるお茶漬けを並べて、ビールとお茶で乾杯。


「ちょっと待ってて」


って、宗司さんがキッチンに立って。しばらくしてからきゅうりとみょうがの浅漬けを持ってきてくれた。


「お漬物だ」

「詩子さん、好きでしょ。漬物レパートリーだけは増やしたんだ」


口に含むと、みょうがの風味が利いてておいしい。塩味も絶妙だわ。


「おいしい!」

「良かった。ビールもたくさんあるからね」


そういって、ストックされてたビールがどんどん冷蔵庫に入れられていく。

宗司さん、飲まないのに。

そう思ってお茶漬けをすすりつつ、この部屋にビールの買い置きがそんなにある意味を考える。

……あたしが来るの、待っててくれたのかな。

かなり前向きな、あたしに都合がいいだけのその結論を信じ込んで、あたしは世界一幸せな気分になる。

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