ショコラ SideStory
「はあ」
ため息と共に店内に戻った瞬間、何故かフラッシュが私を襲う。
「いい顔、頂き」
「……福ちゃん!」
そこにいたのは、にやりとからかうような笑みを浮かべた福ちゃん。
「何よ、来るなって言ったじゃないの」
「俺が康子ちゃんの言うこと聞く義務はないよね」
まあそうね。
何せこの男、誰もが一瞬見とれるとまで言われた20代の頃の私に、一度たりとも友情以外の感情を見せたことは無いのだから。
「どうした? 康子さ……」
後ろから出てきた隆二くんが、怪訝そうな顔で福ちゃんを見る。
「……あれ、どっかで」
「やあ、もう23年ぶりくらいになりますか」
「思い出した。アンタか!」
隆二くんの驚愕の表情。
あら、これも珍しい顔ね。あんまり見れないからちょっと得したかも。