ショコラ SideStory
「……そうか? 割と分かりやすいと思うけど」
「そうかしら。私はよく分かんないわ。あんなんだから未だ独身なんじゃないのかしら」
「まだ独り者なのか……」
あごに手を当てて、隆二くんはちらりと店内を見る。
「もう客は帰ったんだな。マサ、もう上がって良いぞ」
「そう言われると思って帰る準備してました。レジ清算よろしくお願いします」
「おう、お疲れ。店の看板閉めてってくれ」
マサくんは店内の奥のほうの電気を落とし、入り口の立て看板を中にいれ、壁にかかった札を『close』側を表にしていった。
その間に隆二くんはレジのお金を計算し金庫に移していく。
「隆二くんがそういう仕事してるとこ見るの、はじめてかも」
「そう? 流石に金銭管理くらいはしてるよ? 一応経営者だからね」
「うん。でも、私が見てるあなたはいつも何かを作ってるとこばっかりよ」
そしてそれに私はやきもちを焼くんだ。
私を見てほしくて、あんな風に触れてほしくて。