ショコラ SideStory
「……今日は何でカメラ?」
「明日取材に行くの。最近は自分で写真撮らなきゃいけないことも多くて、練習してたんだけど。
やっぱり向いてないわ。個人のツテで福ちゃんに安くやらせようかしら」
「それは駄目。自分で頑張れよ。康子さんならできるだろ?」
「そう思う?」
「思うよ」
何かを試すように彼に眼差しをささげたら、頬を掠めるキスが落ちてくる。
「できる。だからあの男には頼るな」
「……何でそこにこだわる?」
福ちゃんのこと、嫌いなのかしら。
「深く考えちゃ駄目だ。さあ、帰るぞ康子さん」
「ちょっとまだ片付け終わってないわよ」
「いいよ、明日早く起きて来る。そのカップ水につけといて」
「……うん?」
意外な隆二くんの言葉に頭の中はクエスチョンマークが一杯。
まあでもいいか。
今日は随分かまってくれそうな気配だし?
浮かれた気分は表に出さないようにしつつ、いそいそとカメラを片付けた。