ショコラ SideStory

 その後、ずっと居座るのは気が引けて、家に帰ってきた。

この家を新築したのは詩子が中学に入った歳だったっけ。
未だ大きな痛みがないのは、詩子の手入れが良いのかな。お掃除にかけては我が家であの子が一番マメだものね。


「出かけるって行ってたわね」


どこに行くか教えてくれなかったけど。
二人でって言ってたし、少しくらいおしゃれでもしようかしら。

屋外か屋内か、それだけでも聞いておけば良かった。
せっかくのデートなら多少露出した格好したいけれど、日焼けは怖い。

結局体のラインの出るワンピースにジャケットを合わせた。
後はストールで何とか対応しよう。


*



 隆二くんから電話がかかってきたのは午後5時半。
今から迎えに行くから、動きやすい格好をしておいて、との事だ。

だからそういうの先に言いなさいよ。
せっかく決めた服装を慌てて替える。
麻素材の混じったブラウスに流行のカラーパンツ。

お化粧もカジュアルな雰囲気になるように直す。
全く、さっきまでの1時間が無駄になったわ。

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