悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~


はぁと玲士が肩を下ろす。

どうやら言葉足らずだったらしい。

灯里は内心で冷や汗をかいた。


「じゃあ、……あいつと、キスしたりした?」

「……っ」


際どい質問に灯里は背筋を強張らせた。

さすがにこれは即答できない。

視線をそらした灯里を、玲士が鋭い視線で至近距離から見下ろす。


「どうなの? 灯里」

「……」

「……それが答えってわけ、ね」


玲士は言い、灯里の後頭部に手を回して口づけた。

灯里の唇を割り、舌先で歯列や唇の周りを撫でるように舐める。

まるで隅々まで確認するようなその動きに灯里は身悶えた。


やがて玲士は唇を外し、灯里の髪を撫でながら囁くように言う。


「おれがあいつを殺す理由リストに、今のを追加しといたから」

「は!?」

「……冗談だよ」


――――まるで冗談には思えないのだが。

と恐る恐る玲士の顔を見上げる灯里に、玲士は低い声で言う。


< 161 / 222 >

この作品をシェア

pagetop