写真嫌いと男嫌いの私がモデル?
「なら、いいけど。愛歌、どこに貼る?」
「ん、ケータイの裏に貼ろうかな。康太もケータイの裏に貼ろうよ。おそろになるから。じゃあ、半分こにしよ」
私は、プリクラを半分に切って「はい。これ」と言って康太に渡した。
「仕方ねぇな。じゃあ、俺もケータイに貼るか」
康太は、そう言ってプリクラを1枚はがしてケータイの裏にプリクラを貼った。
私もケータイの裏にプリクラを1枚はがして貼った。
「これ、記念に残るね。日付も書いてあるし。康太、次私海行きたい」
私は、言った。
「おお。でも、愛歌水着持ってきてないだろ?」
康太が言った。
「いいの。海を眺めたいから」
「そうだな。じゃあ、行くか」
私は、康太とすぐ近くの海に行った。
「康太、人居ないねぇ」
私は、言った。
「おお、そうだな。じゃあ、遊ぶか」
康太が言った。
私と康太は、靴とソックスを脱いで海に入った。
「康太、それ」
私は、康太に水をかけた。
「冷てぇ。愛歌、やったな。それ」
康太が仕返しに私に水を返して来た。
「あっ、康太。ヤッタな」
私は、そう言って夢中に康太に水を掛け捲った。
康太も私に水を掛けて来た。
「やべぇ、制服ビショビショ。担任に怒られるな。どうする?」
康太が言った。
「まぁ、それでもいいじゃん。記念に残ったし。それより、海綺麗だね」
私は、言った。
「そうだな」
静かにザーザーと海の音がした。
私と康太は、ただ海を見つめていた。
「なぁ、愛歌」
康太が言った。
「ん? 何?」
私が康太の方を向いた。