だってキミが好きだった
綺麗な顔立ちをした彼は、無表情でその片目だけで私を見下ろす。
その顔に、ズキンと痛んだ胸は、きっと気のせいだと思う。
私はもう、この人に未練なんてものは、一切ない筈だから。
“あの時”に、ちゃんとお別れしたから。
でもやっぱり……。
……緊張、する。
「…さっき言った筈だ。呼び捨てはやめろ」
落とされた言葉は、冷たい。
当たり前なんだろうけど、記憶がないから当たり前なんだろうけど、でも。
やっぱり、悲しい。