先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
話してたから気づかなかったけど、
全部の教科のテキストがぎっしり詰まった学校指定のデカくて重いスポーツバッグが、ぶつかったのかもしれなかった。
「ご、ごめんなさい・・・。」
ユリが頭を下げて弱々しく謝ると、
おじさんは聞こえよがしに舌打ちした。
「ったく、最近のガキは、謝ることも知らねぇのかよ。
ちょっと言えば、すぐキレるしよ。」
その時、
若い男の乗った自転車が
おじさんスレスレにすれ違って、通り過ぎていった。
危うく自転車に
轢かれそうになったおじさんは、
いまいましそうに自転車の後ろ姿をにらんで、
それからまた、
ユリをにらみつける。
「怒鳴る相手、選んでんじゃねえよ。」
思わず、ユリの前に立ちふさがってにらみ返していた。
「なんだと・・・」
おじさんの顔が、真っ赤になる。