先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
「サトダが、ユリが帰ったって知らせに来てくれてさ。
事務の先生が『ウチの生徒が外に出るのを見た』って言うから、
行って捕まえてみたら、アヤセだった。」
それを聞いて、ちょっとだけ笑いそうになる。
「アヤセ、ユリを探してた。
『笑ってたから気づかなかったけど、
もしかしたら自分がユリを傷つけたかもしれない』って気にして、
昼休みずっと探してたんだと。」
「・・・アヤ、が、」
私、アヤには傷つけられたおぼえ、ないのに。
「ユリは、『自分ひとりいなくても何も変わんない』って言ったけどさ。
ユリがいたから、
いつもはみんなに合わせてばっかのサトダが、無関心なクラスメイトに不満を持って俺に知らせに来たし、
ユリのおかげで、
いつもは言いっ放しのアヤセが、自分の言葉に責任感じてアヤセなりに責任とろうとしたし、
ユリのせいで、俺は雨んなか走り回るはめになったし?」
笑いを含んだ声で言いながら、最後にボソッと先生がつけ足す。
「・・・もういっぴき、ユリを探してうろちょろしてるのがまだいるし。」
どーぶつえんか、うちのクラスは。
そんな先生の軽口も逃さず、
私はじっと、先生の言葉に聞き入る。
背後からぶつかってくる先生の声は、
ぬくもりがあって、やわらかい。