ラブ☆ロマンス





 放課後になったばかりの今は、弓道場にまだ蒼くんの姿はない。
 今ここにいるのは、相田さんとその友達、部長の吉田くんと私の四人だけ。

 いつもなら私を無視するのに、今日はまだ人が居ないせいか、私の姿を見た瞬間、相田さんは私に噛みついてきた。


 ……私、何かしたっけ?



「千香!一応先輩なんだから、やめたほうが…」

「先輩って言ったって何年前の卒業生なの?

 大学生にもなって中学出入りするなんて普通ないでしょ?
 ましてや年下の男に会いに来るなんて、もっと有り得ない!」



 ……ごもっとも。

 でも、先生方には許可貰ってるし、私は弓道部のOBでもある。
 邪魔するようなこと、したことないんだけどな……。



「この際だから言わせてもらいますけど。学校まで来て蒼一郎くんを追いかけ回すのはやめて下さい!

 先輩から嫌み言われて後輩からも変な噂立てられて……そんな彼の事、あなた知らないでしょう?

 どれだけ迷惑してるか分からないんですか?!」




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