ラブ☆ロマンス




「はあぁぁぁ…」



 ―――会いたい。




「……何て格好してんのよ」


 校内にあるカフェで、おっきな溜め息と共にテーブルに突っ伏してると、早紀ちゃんが呆れながら向かいに座った。



「……蒼くんに会いたい…」

「会いに行けばいいじゃない」


 言って、馴れた手つきでタバコに火をつける彼女を恨みがましく見る。



「……なによ」


 見上げて早紀ちゃんを見てると、タバコをふかしながら、


「あのねぇ。蒼くんは葵じゃないんだから、言わなきゃ気持ちは伝わらないの。
 話すことも放棄しといて、この先うまく行くわけないじゃない」


 私の恨みがましい視線をものともせず、溜め息吐いた後に淡々と話し出した早紀ちゃんに、私は何も言い返せない。




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