《夕日塔番外編》 想いの裏側
【小学校時代】

-稚鶴Side-

今でこそ学年1・2位を争ってる位勉強得意な私だけど、元からそんなに頭が良かったワケじゃ無い。


ただ……ある一人の男に勝ちたくて………頑張ったのに


気づいたら…並ぶだけで充分になっていたんだ――――…


―――――――
―――――…


「パパ、ママ、行ってきまーーーす!!」


「ハイ行ってらっしゃーーい」


「車に気をつけるんだぞ稚鶴ーーー」


笑顔のパパとママに見送られ、桜の花びらがヒラヒラ舞ってる通学路をテトテト歩く。


背中にはおじいちゃんに買って貰った真っ赤なランドセルが、ピッタリフィットしていた。
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