花蓮【完結】
―――――――――





「ねー麻美ー何で会わないのよ?」



あたしがさっき哲に言った言葉の所為で、今皆に問い詰められている。
朱美が一番わけわかってなかったけど。



「もーいいんだって。
付き合うこと、これからもないだろうし」


「ええ?どうしてよ?」


「言ったじゃん、あたしは花蓮が恋人なの」


「きもい!だから、麻美勘弁してって」

しれっとそんなことを言うあたしを佐緒里が睨みながら言った。


「はは」

乾いた笑いをあたしが漏らすと、意味わかってない朱美にことが言う。


「哲さん、まじかっこいいんだよ~」


「そうなの?」



哲を知らない朱美は、ことの言葉に興味津津だ。





それにしてもこの話題、もう終わらせたいんですけど…。




哲について大いに語ってる三人を横目で見る。
なんか、三人でかなり盛り上がってるのはどうしてだろうか。



あたしはそう思いながら、ぼんやり倉庫の外を見ると。




見慣れた車がそこにあった。

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