花蓮【完結】
「…少し寝る!」

急にそう言うあたしに佐緒里が目を丸くしながら

「ええ?興奮して私寝れないよ」

そう言った。


「一時間したら起こして」


「麻ちゃん、おやすみぃ」




ことの言葉を聞いた後……朱美の布団に横になってあたしは静かに目を閉じた。
そのまま、意識を手放した。





あたしが目を覚ました時にはもう、辺りは暗くなっていた。


結構寝てしまったらしい。




「もっと早く起こしてくれたらよかったのに」



特攻服に身を包んだ朱美と琴子にぽつりと愚痴をこぼす。

それに二人は顔を見合すと言った。

「いや、麻ちゃん、起こしたけどさ」


「うん、死んだように眠ってたから」




“死んだように”

それを聞いてぎくりとする。
あたしのその様子には気付かなかったのか、すぐに佐緒里が続けた。




「余程疲れたんだね、今日の後輩達」


「ふは。それ何回聞いてもうける」


「ねえ~麻ちゃん、モテモテ」



けらけら笑う三人を見て、ほっと胸を撫で下ろした。

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