花蓮【完結】
一気に皆が俯いて静かになる。
…静かになるなよ。




………あたしはいなくなるかもしれないけど。
だけどさ。




「…でも、あたしらは不滅だろ?」




出来るだけ、通るようにはっきりと言った。
震えないように注意して。





それに朱美も佐緒里もことも。
ゆっくりと頷いた。


それから佐緒里が言う。

「まあ、一生会えなくなるわけじゃないしな」


「ごめん、そうだよね」


「あけちゃん、しゅんとなること言わないの~」


「……………」







………一生、会えなくなる。


そうだよな。
あたし、死んだらこいつらが死ぬまで。




会えないんだよな…。






悔しいな。
もしかしたら。
佐緒里と信司に子供とか出来ちゃってさ。
朱美に彼氏が出来るかもしれなくって。
ことなんか、モデルデビューしたりして。





そんなキラキラしてる未来が待ってるかもしれないのにな。



そう、思うと…切なくなるよ。



腹括ったと思ってたんだけどな。
…こいつらといると、その気持ちも揺らぐんだよな…。



駄目だな…。
感傷深えな。
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